韓国で三・一独立運動100年の記念式典開催

 【ソウル=名村隆寛】1919年に日本の朝鮮半島統治に抵抗して起きた「三・一独立運動」の100周年に当たる1日、韓国ソウルで記念式典が行われた。

 ソウル中心部の光化門(クァンファムン)広場で開かれた式典では、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が約1万人の市民を前に演説。文氏は独立運動当時、朝鮮人の10%が逮捕され多数が死傷したにもかかわらず、朝鮮人の攻撃で負傷した日本人は一人もいなかったと平和的な運動だったことを強調した。

 さらに、「歴史の立て直しこそが重要であり、親日清算が課題である」と指摘。ただ、「親日清算も外交も未来志向的であらねばならない」と訴えた。

 式典では三・一運動の象徴的な女性の独立運動家で、当時、運動後に獄死した柳寛順(ユ・グァンスン)に文氏から「建国勲章大韓民国章」が授与された。また、独立運動家の子孫や、元慰安婦の女性、いわゆる徴用工だったと主張する人々も参加。国民の代表として行進した。

 ソウルをはじめとした韓国全土で、この日、さまざまな記念行事が行われた。正午には、独立運動当時を再現し、全国で韓国国旗を振り、「万歳!」が連呼される。

 式典が行われた広場は、2016~17年に朴槿恵(パク・クネ)前大統領の退陣を求める大規模な市民集会が行われた場所。集会には当時、文氏も参加しており、朴氏の罷免、逮捕につながった。今回、式典の会場に選ばれたのは文氏の意向という。

 独立運動記念日に合わせ、韓国政府は受刑者ら計4378人を特別赦免した。特赦の対象には慰安婦問題をめぐる日韓合意に抗議し摘発された活動家らも含まれている。

 一方、南東部の釜山の日本総領事館付近では、三・一独立運動100年の記念日に合わせ、市民団体などが午後に集会を行う。いわゆる徴用工の像を総領事館前に設置することを予告しており、現地からの情報によると、現場は緊張している。市民団体は昨年5月1日にも像の設置を試みたが、警察に阻止された。警察は今回も総領事館周辺で厳重な警備に当たっている。

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