外務省、文氏「日本が7500人殺害」に問題意識伝達

 外務省は1日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「三・一独立運動」の記念式典で行った演説で、100年前の独立運動をめぐって約7500人が日本側に殺害されたと言及したことについて「100年前の歴史についてはさまざまな学説があり、大統領がそのうちの1つの具体的数字を挙げるのは問題だ」などと外交ルートで韓国政府に伝えた。

 外務省によると、昨年の式典で文氏からこうした数字への言及はなく、韓国大統領が公の場で挙げるのは極めて異例だという。

 自民党が1日に開いた外交部会や国防部会などの合同会議でも、文氏が不確かな数字を挙げたことを問題視する意見が相次いだ。出席議員は「既成事実化される」などとして政府に韓国側への反論や国際社会への周知を求めた。

 一方、野上浩太郎官房副長官は1日の記者会見で文氏の演説について「対日関係、日韓協力の重要性に触れたものと認識している」と述べた。約7500人などと主張したことについての言及はなかった。

 野上氏は慰安婦やいわゆる徴用工の問題などを念頭に「引き続き韓国側に適切な対応を求める」とも強調した。

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