「地震来ないは錯覚」「啓発に役立てる」 日本海溝の新想定

 山岡氏は「次の津波に生かすためのデータだ。今後も研究の進展で更新する必要がある」と指摘する。

 ただ、防災対策を担う内閣府が津波や揺れによる被害想定をまとめたのは、南海トラフと相模トラフだけ。今後は被害想定に基づく現実的な対策づくりが急務となる。

 発生確率が高まった自治体は「地震はいつ起きるか分からないと捉えるのが基本」と冷静に受け止めており、従来の対策を進める考えだ。

 宮城県沖で起きるM7級の地震は従来、発生確率が不明とされてきたが、評価法が見直され30年以内で90%の高い確率となった。

 宮城県危機対策課の担当者は「数字として唐突感はあるが、大震災の復興と防災対策をこれまで通り進める」とした上で「(高い確率で)県民の受け止めも変わってくるのでは。地震はいつでも起きることの啓発に役立てたい」と話す。

 福島県沖ではM7級の確率が10%から50%に跳ね上がった。ただ同県災害対策課の友敏光課長は「対策は確率の数字で考えることではない。あす起きれば大変との認識で取り組むことに変わりない」と話す。

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