銀行、手数料安い「自治体指定金融機関」辞退の動き

 三菱UFJは平成30年3月、芦屋市に対し現金の取り扱いや行員派遣費用などで年間1500万円(これまで約7万円)と口座振替手数料で1件当たり10円を請求。市側から却下されたため指定辞退を通知した。

 市の担当者は「近隣自治体や他の金融機関との兼ね合いもあり、三菱UFJだけを優遇することはできない」と理由を説明する。

 三菱UFJは指定を受けた他の自治体とも手数料見直し交渉を進めており、芦屋市など約10市を除いて増額が認められたもようだ。

 一方、地域密着型経営の地方銀行は、大手銀行に比べ指定金融業務を見直すハードルは高い。ただ、30年4~12月期決算で8割超が最終減益または赤字になるなど経営悪化が進み、一部は辞退を視野に強気の交渉に入ったとみられる。

 自治体も指定金融機関がなくなれば税金の収納事務を職員が背負わざるを得ず、住民サービスに影響が出かねない。「ほとんどタダ働き」(地銀関係者)と揶揄(やゆ)される指定金融業務だが、手数料の見直し交渉が進めば自治体と金融機関の力関係に変化が生じる可能性がある。

 指定金融機関 地方自治体が公金の収納や市民・企業への支払い事務を行うため指定する金融機関。地方自治法で都道府県は設置が義務づけられ、市町村は任意。事務手数料はほぼ無料のケースが多く、金融機関側の負担で行員を市役所などに派遣している。