「筋肉は裏切らない」伝道師に 谷本道哉近大准教授(下)

「筋肉は裏切らない」伝道師に 谷本道哉近大准教授(下)
「筋肉は裏切らない」伝道師に 谷本道哉近大准教授(下)
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 NHK「みんなで筋肉体操」を監修した、近畿大生物理工学部准教授の谷本道哉さん(46)。一時はサラリーマン生活を送っていた谷本さんが、研究の道に入ったきっかけは、やはり筋肉への飽くなき探求心だった。(聞き手 北野裕子)

「筋肉の科学」に衝撃

 --筋トレを始めたのはいつからですか

 谷本 バーベルを担ぐとか、本格的なものは高校からです。筋トレ好きの兄の影響で筋トレ自体は小さい頃からやっていました。小学生の頃にはクリスマスプレゼントに鉄アレイをお願いしましたね。

 --師事された東大の石井直方先生と違い、ボディービルダーではないんですね。スポーツは何かされていましたか

 谷本 小中学校で水泳やバレーボール、高校からはラグビーをやっていて、筋トレはあくまで競技力向上のためでした。大学1年の時にけがでラグビーをやめてからはフルコンタクト空手を始めました。

 --大学で今のような筋肉の研究を始めたのですか

 谷本 興味はありましたが、当時はスポーツサイエンスというジャンルは学部レベルでは確立されていなくて。理系だったので、普通に工学部に進んで海洋工学を学び、総合建設コンサルタント会社に就職しました。トンネルの設備設計などをやりながら夜中の2時、3時まで働き、仕事の合間に筋トレと空手をしていました。会社の床に段ボールを敷いて寝る生活でしたね。

 --今の道に進んだのは

 谷本 就職して2、3年目くらいかな。ボディービルディングの専門誌で、石井教授の記事を読んだんです。筋肉の収縮の仕組みとか代謝システムとか、トレーニングが生理学的にロジカルに説明されていて、衝撃を受けました。先生自身もボディービルの日本チャンピオンで、「この人の元で学びたい」と、東大大学院へ入るための勉強を始めました。

 --やりたいことを実現できる場所を見つけた

 谷本 毎日、仕事を終えた深夜2時頃から勉強しました。1年半くらい勉強して、入学試験を受ける年の春、会社を辞めて大阪から上京しました。現場を知ろうとゴールドジムの正社員として働きながら勉強を続け、8月の試験で合格しました。