画面の見すぎで目が疲れたら、「ダークモード」をお試しあれ

IMAGE BY WEERAKARN SATITNIRAMAI/ADISORN FINEDAY CHUTIKUNAKORN/GETTY IMAGES/ALYSSA FOOTE
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 ずっと画面を見続けていると、目が疲れる。デジタル眼精疲労は、いまや深刻な社会問題と言ってもいいだろう。こうしたなか注目されているのが、黒い背景に白か色つきの文字を表示する「ダークモード」だ。OSやアプリにも広がる昨今のダークモード事情と、その歴史をひも解いた。

TEXT BY PARIS MARTINEAU

TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO

WIRED(US)

インターネットでは大半がそうだが、この記事も白の背景に黒の文字で表示されている。読んでいる時間帯や、明るすぎる画面を凝視していた時間の長さによっては、読みにくくて不快だと感じる場合もあるだろう。

目が疲れてもたない場合もあるかもしれない。でも心配しなくていい。それはあなただけではないのだから。

もちろん、『WIRED』のサイトは美しくデザインされているが、白く光る画面に色のついた言葉や画像が表示されるのを一日ずっと凝視し続けるとなれば、わたしたちの気の毒な目は早々に悲鳴を上げることもある。光学業界の非営利団体であるヴィジョン・カウンシルが実施した調査では、米国の成人の60パーセント近くが、デジタル眼精疲労の症状を経験したことがあると答えている。

そこで「ダークモード」だ。ナイトモード、ハイ・コントラスト、色の反転などとも呼ばれ、白い画面の洪水に眼精疲労を感じているという人たちのあいだで、人気が高まっている。ほとんどのアプリやウェブサイト、プラットフォームで採用されている、目がくらむほどまぶしい従来のユーザーインターフェイスに代わる、目に優しいインターフェイスだ。

「白が支配的な背景に黒い文字」ではなく、通常は「黒い背景に白または色つきの文字」を表示する。このため、午前3時に密かに自分のツイートを読むような場合にも、太陽を凝視するような思いをしないで済む。

過去にも提供されていたダークモード

まばゆい白い画面に対する反抗がいつ始まったのか、正確に特定するのは難しい。人気のあるアプリ、ウェブサイト、OSの多くはずっと以前から、従来のテーマやレイアウトを暗くしたヴァージョンを公開している。明るいのを嫌がるユーザーを満足させるとともに、視覚に障害がある人が利用しやすいようにするためだ。

厳密に言えば、これは「反抗」というより、むしろ先祖返りに近い。いま人気が出ている黒が基調でハイコントラストなテーマは、初期の端末や、1960年代や70年代のパーソナルコンピューターのディスプレイと、明らかに似ているのだ。

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