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『日米戦争を策謀したのは誰だ!』林千勝著

『日米戦争を策謀したのは誰だ!』
『日米戦争を策謀したのは誰だ!』

 □『日米戦争を策謀したのは誰だ! ロックフェラー、ルーズベルト、近衛文麿 そしてフーバーは-』

 ■魑魅魍魎たちの戦いの象徴

 林千勝さんの前著『近衛文麿 野望と挫折』は、JR東海名誉会長の葛西敬之さんによる書評(産経新聞、平成30年2月25日)でも取り上げられました。本書は、それに続く、渾身(こんしん)のノンフィクション作品です。歴史上初というと大げさかもしれませんが、国際金融資本(ロックフェラーなど)の闇に切り込んだという点で、ちょっと類書のない意欲作ともいえます。

 日本を戦争に追い込もうとするロックフェラーやルーズベルト。スパイを使って彼らを巧みに操り、ほくそ笑むスターリン(コミンテルン)。そうはさせまいと、米国が直接攻撃を受けない限り、戦争には参戦しないという「不干渉主義」の立場から敢然と抵抗するフーバー。

 彼は、ヒトラーとスターリンとが戦い、共に自滅するのがベターだと判断していました。しかし、彼には「孤立主義者」のレッテルが貼られます。そして、「己の名誉と栄光を求める」ことのみに躍起となっていた近衛文麿の下には、尾崎秀実(ほつみ)や風見章、牛場友彦など、怪しげな政治家や知識人が集まり、日本を日米戦争に引きずり込もうとしていきます。サブタイトルにスターリンは入っていませんが、彼の動きは詳述されています。

 そんな魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちによる「平和」「戦争」との戦いを象徴するものが「日米戦争」だったのです。「偽りの歴史」を百年一日のごとく繰り返す、ありきたりの「歴史書」では感得できない「歴史の真実」を本書で味読してください。(ワック・1800円+税)

 ワック「歴史通・書籍」 編集長 仙頭寿顕