まもなく、平成という時代が終わる。フジテレビは3月18日深夜から5夜連続でスペシャルドラマ「平成物語~なんでもないけれど、かけがえのない瞬間~」を放送する。
昨年3月にメーンキャスト(岡山天音、松本穂香)ほか、脚本、監督、プロデューサーらスタッフが平成生まれという異例の布陣で2週にわたって放送。大きな反響を呼び、4万件近いツイートが投稿された。今回はそのシーズン2となる。
平成に生まれ、平成に育ち、平成しか知らない人間の目線で紡いだ作品。主演を務めるのは、連続ドラマ初主演となる平成6年生まれの山崎紘菜(ひろな、24)。2011年に第7回「東宝シンデレラ」オーディションで審査員特別賞を受賞。映画、ドラマ、CMに多数出演するほか、「ラグビーワールドカップ2019」開催都市の特別サポーターに就任。さらに来年公開予定の映画「モンスターハンター」でハリウッドデビューすることも決定している期待の若手女優だ。
「オーディションを受けたときからずっと(主人公の)芽生(めい)を演じたいと願っていた。ただ、その夢がかなった瞬間にプレッシャーも感じ、シーズン1に負けないようにとも思いました」
初々しいコメントで始まる。山崎をはじめ、共演の笠松将(平成4年)、清水くるみ(6年)、脚本の加藤拓也(5年)、監督の松本花奈(10年)、同局企画の橋爪駿輝(3年)ら平成生まれのキャスト、スタッフがそろった。
「撮影中に監督の21歳のバースデーがありました。若いなあ、と(笑)」
それを特に感じたのは、満足なカットが撮れたときの監督の一言。
「『めっちゃ、いいです!』と言ってくれました」
年下の監督はもちろん初めての経験。そんなほほえましいエピソードを披露しながら「でも、仕事をしていく上でお互いをリスペクトしあっていれば年齢は関係ないと思います」と話す。同年代に刺激を受けながら撮影は楽しく進められたようだ。
シーズン1のテーマは「僕たちは何者になれたのだろう」だった。シーズン2は「平成で一番綺麗だった日」。物語は、平成最後の日に主人公と最愛の人との突然の別れから始まり、話を重ねるごとに時間軸がさかのぼっていくという異例の構成となっている。何の変哲もなく、が、しかし、かけがえのない日々の大切さを描くラブストーリーである。
「大事件が起き、劇的なドラマがあるわけではないが、小さな幸せとささやかな喜びにあふれた温かくて優しい物語。あたりまえがかけがえのないことというみなさんの日常にそっと寄り添うような作品になれば。そして『ただいま』『おかえり』など大切な方々との些細な会話が増えるきっかけになったらうれしいです」
せりふも少なく、難しかったというキャラクター作りについては「『うん』『はい』などせりふにバリエーションをつける努力をし、リアルさを出すために、電車の中で隣の女の子の話をこっそりと聞くなど日常生活を観察するようにしました」と明かす。
そんな撮影現場は「若い人の一生懸命さ、健気さを感じ、それを大人が見守ってくれる現場でした」と振り返り、「とにかく映像が美しい。何気ない日常をいとおしいと思ってほしい」と力を込めた。
そして、平成とは…。「青春が全部つまっている。これから振り返るとき、ただただ青春を思い出すのでしょうね」。作品中には「マジで?」「~てか」など、いわゆる若者言葉が使われるが、「仕事柄、なるべく普段からていねいな言葉を意識しています」と山崎は最後にプロ意識の高さを見せていた。
出演は高橋和也、村上淳ら。シーズン1の岡山も特別出演している。
(産経デジタル)