滋賀県は、昨年12月末時点の県内在住の外国人人口の調査結果(速報値)をまとめた。県内で暮らす外国人は前年比2730人増の2万9263人で、好調な経済情勢や外国人雇用の拡大などを背景に4年連続で増加した。国籍別ではブラジルの8525人が最多で、ベトナムが3325人と前年の1・5倍以上に増えた。
県内で生活する外国人はリーマン・ショックがあった平成20年の3万2232人をピークに減少が続いたが、27年に増加に転じ、昨年は前年比10%以上の伸びとなった。景気の回復や少子化、大都市圏への人口流出などに伴う人手不足が続く中小企業を中心に外国人の受け入れが増えている。
国籍別はブラジル(8525人)、中国・台湾(5194人)、韓国・朝鮮(4553人)で全体の6割以上を占めている。ベトナムは約1・5倍と大きな伸びとなったが、外国人技能実習制度の利用者が増えたのが要因とみられ、国籍も前年の94の国・地域から101の国・地域と、多国籍化が一段と進んでいる。
市町別では、大津市(4276人)が最多で、長浜市(3369人)、東近江市(3240人)、甲賀市(3216人)、湖南市(2987人)が続いた。
国籍別で最も多かったブラジル人は長浜、東近江、甲賀、湖南の各市で多く、市町別で外国人人口が最多の大津市には韓国・朝鮮籍の約4割が居住している。
政府は4月の改正出入国管理法の施行を機に外国人労働者の受け入れを拡大する。施行後5年間の受け入れ数は介護や宿泊、建設、農業など14業種で計約34万5千人を見込んでいる。
滋賀県内でも外国人労働者の増加が想定される中、県は現在開会中の県議会に提案した31年度一般会計当初予算案に、外国人材の受け入れ拡大に向けた関連予算を計上。相談窓口の整備運営費や病院への多言語対応タブレット設置、企業向け受け入れ窓口の開設などの施策を盛り込んでいる。