今月末に開催予定の米朝首脳会談をめぐり、安倍晋三首相と電話会談したトランプ米大統領が北朝鮮による拉致問題の解決に協力する意向を改めて示したことを受けて21日、東京都内で開かれた集会に参加した横田めぐみさん(54)=拉致当時(13)=の母、早紀江さん(83)は「毎年、体力がなくなっていくことを感じる。明るい兆しがほしい」と膠着(こうちゃく)する局面打開への願いを語った。
キリスト教の支援者らによる集会であいさつに立った早紀江さんは、家族会が19日に安倍首相と面談し、被害者の即時一括帰国を金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に訴えるメッセージを手渡した際の経緯について「(安倍首相に)家族の悲しみや怒りを生で伝えてください、とお願いした」と述べた。
一方、トランプ大統領が米朝首脳会談で拉致問題を提起する考えを示したことには「金正恩氏が、すべての被害者を帰国させると決断してもらわなければならない。あらゆる方法で日本の思いを伝えてほしい」と強調した。
安倍首相は20日夜、トランプ大統領との電話会談で核、ミサイル、拉致問題の解決へ緊密に連携することで一致したと説明。「特に拉致問題に時間をかけ、いかにご家族が帰国を希望しているかという気持ちを含めて伝えた。トランプ大統領には拉致問題を重視すると明確に述べてもらった」としていた。