2020年東京五輪マラソン代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」の出場権が懸かる女子最後のMGCシリーズ、名古屋ウィメンズ(3月10日開催、ナゴヤドーム発着)に福士加代子(ワコール)が再びスタートラインに立つ。大阪国際では転倒した影響で35キロ地点で途中棄権。両膝から血を流すなど痛々しい姿だったが、全治1週間のけがで済んだため、名古屋に間に合う見通しになった。
調整期間が短いことが懸念材料ではあるが、ワコールの永山忠幸監督は「(大阪国際の走りを)練習だと思えば、考え方は変えられる」と話していた。短期間で状態を上げていくのは、福士が得意としてきた調整パターン。大阪国際までしっかりと練習を継続できていたことも不安を和らげる要素になるだろう。
一番大事なのは本人のモチベーション。大阪国際でリタイアした後、福士は救護室で「MGCの権利は取りに行きたい」と強い決意を口にしたという。名古屋ウィメンズでも日本人3番手までに入れば、2時間28分以内で出場権を獲得できる。思わぬアクシデントを経験したが、次こそ笑顔のゴールを目指す。(丸山和郎)