社説検証

千葉・小4女児死亡 産経「嘆くだけで幼い命救えぬ」 「事なかれ主義」行政に強い批判

心愛さんが父親からの暴力被害を訴えた学校アンケートの回答の写し
心愛さんが父親からの暴力被害を訴えた学校アンケートの回答の写し

千葉県野田市の小学4年、10歳の栗原心愛(みあ)さんが自宅浴室で死亡し、父親が傷害容疑で逮捕された事件は、虐待を受け、学校に救いを求めた心愛さんの訴えが父親に知らされるなど、行政の信じがたい不手際が次々と明らかになった。事件をいち早く取り上げた産経は、「この女児の命を救うことは、本当にできなかったのか」と問いかけた。

「お父さんにぼう力を受けています」「先生、どうにかできませんか」。心愛さんは小学校が秘密を守るという約束で実施したアンケートにこう回答した。市教委はそのコピーを父親に渡していた。

「言語道断である。恫喝(どうかつ)的な父親の要求に、市教委は恐怖を感じたという。その場を収めることを優先し、心愛さんを危険にさらした」(読売)「虐待が悪化するのは容易に想像がつく。一方、必死の思いのSOSが裏切られたと知った子どもは、大人を信じられなくなるだろう」(朝日)

児童相談所で父親は心愛さんが書いたとする文書を示した。「お父さんに叩(たた)かれたのは嘘(うそ)です」「児童相談所の人にはもう会いたくない」。児相はその後、強引に書かされたものだと認識したが放置した。

「心愛さんを一時保護しながら、むざむざと両親の元に帰した柏児童相談所の不作為も同様に罪は重い。彼女を救う機会は、一度ならずあったのだ」(産経)「虐待されていることを否定する文章を書かせること自体が虐待だ。その時点でどうして心愛さんを保護しなかったのか。せめて警察などと連携して父親に確認すべきではなかったか」(毎日)

学校や市教委、児相の対応への批判は当然だろう。学校は事件の直前、心愛さんの長期欠席を静観していた。指摘されたのは不作為や事なかれ主義である。「文部科学省の通知などを事務的に教育現場に伝えればいい。学校でのトラブルの責任主体になることを回避する『事なかれ主義』が教委に横行していなかったか」(日経)「連携が足りないのは各機関に当事者意識が薄く、親との摩擦を避けたい『事なかれ主義』がいまだに残っているからではないか」(毎日)

会員限定記事会員サービス詳細