国際情勢分析

「自立」してほしいアジアの結核対策 カギは日本の成功例

■訪日外国人の感染例も報告

 というのも、かつて「国民病」とまで呼ばれた結核を日本が克服したのも経済的に躍進した1950~60年代だったからだ。

 國井局長によると、日本の成功は経済成長だけが理由ではない。むしろ官民を挙げた取り組みこそが成功の秘訣で、具体的には(1)国のリーダーシップ(2)様々なレベル・セクター間での連携・協働(3)地域や住民の動員・参加-が要因という。

 例えば、国は結核予防法や保健所法などを施行し、のちに国民皆保険につながる結核医療費の公的負担制度を実現した。市町村は、責任を持って健康診断と予防接種を実施する仕組みを整えた。

 さらに地域レベルでは、婦人会や青年団などが健康診断の受診や予防接種の実施を働きかけた。民間においても結核予防会や結核研究所が設立され、研究や人材育成などが進んだ。

 訪日外国人数が昨年初めて3000万人を突破し国境を越えた人の行き来が活発化する中、日本でも少数ながら中国人留学生やインドネシア人労働者の感染例が報告されている。

 空港など入国管理での水際対策に止まらず、日本の知識や経験を伝える中で結核流行国の自助努力を促す技術協力が重みを増している。

(外信部 平田雄介)

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