ホルムズ海峡は反米の最前線 イラン・バンダルアバス、ステルス艦も配備

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ホルムズ海峡は反米の最前線 イラン・バンダルアバス、ステルス艦も配備
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 世界の海上輸送原油の3割が通る大動脈、ホルムズ海峡に面するイラン南部バンダルアバスを訪れると、軍施設が堅い機密のベールに守られていた。ペルシャ湾の対岸の親米諸国には米軍が広範囲に駐留しており、イランと米国の緊張の最前線だ。最高指導者直属の軍事組織「革命防衛隊」の元幹部は、安全保障の生命線であるペルシャ湾の支配権を米国に譲ることは「あり得ない」とし、米のイラン封じ込め戦略について「脅しには脅しで対抗する」と強調した。

(イラン南部バンダルアバス 佐藤貴生)

鳥も逃さず

 バンダルアバスは漁業を主体とする港町だ。原油の輸出拠点や精製施設もあり、国営石油化学企業の横には海軍施設の門があった。軍は取材不可だと事前に言い渡されていたが、同社や市当局、外務省の出先機関なども一様に取材を拒んだ。

 そんなバンダルアバスに昨年末、ステルス性能がある駆逐艦「サハンド」が配備された。ヘリポートを備え対空、対艦ミサイルも搭載可能で150日間、無寄港で航行できるという。

 首都テヘランで取材に応じた革命防衛隊元司令官、キャナニモガッダム・ホセイン氏(60)は、「バンダルアバスには海軍などの司令部があり、サハンドのほか多数の軍艦や(ロシア製防空システム)S300の基地もある」とし、「どんな鳥が飛んできても捕捉できる」と話した。

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