国境を越える認知症、言葉分からなくなり孤立

 海外で認知症になった日本人や、国内で認知症を発症した外国人の詳しい実態は分かっていない。

 外務省の平成30年海外在留邦人数調査統計によると、海外に住む75歳以上の日本人は4万6831人。法務省の在留外国人統計(今年6月末)によると、国内に住む75歳以上の総在留外国人は7万5075人。75~79歳で認知症にかかっている人の割合は10%程度とされ、年齢が上がればさらに高くなるため、少なくとも計1万人以上が同じ状況に置かれている可能性がある。

 奈良のスーザンさんは、最近、英語での会話も難しくなり、香織さんはギターなどの音楽を通じて意思疎通を試みる。香織さんは「認知症は、その人の過去や、何をどこで習得したのかを知って対応することが大切。私も当初はそれが分からなかったけれど、母はそれを訴え続け、教えてくれた」と振り返る。

 公益社団法人「認知症の人と家族の会」理事でこの問題を担当する阿部佳世さんは「日本でも海外でも同じことが起きている。周囲との共通言語がない人の苦労を知り、想像力を持って支援することが大切」と話している。

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