節税保険に当局がメス 苦情増加の外貨建て保険にも監視の目

 メスが入った経営者向け保険と同様、問題視されているのが主に銀行窓口で販売されている「外貨建て保険」だ。ドルなどで運用した高利回りが魅力だが、為替相場が円高に進めば円ベースでは受け取る保険金が減る上、円から外貨、外貨から円に両替する際にそれぞれ手数料が徴収され資産が目減りする恐れがある。

 「元本割れリスクを十分説明していない」など顧客からの苦情は年間1888件(29年度)と直近5年で3倍に増えた。生保協は15日の会見で、全国銀行協会と協力し、実態に即した利回りや為替変動のリスクを資料に明示するほか、高齢者が契約する際には親族の同席を求めるなど販売手法を改善する方針を示した。

 ただ、金融庁幹部は「苦情が減らなければさらに手を打つ必要がある」と監視の目を光らせており、販売ルールの厳格化など経営者向け保険と同様に締め付けが厳しくなる恐れがある。(林修太郎)

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