東洋経済サイト記事削除と謝罪広告命じる 賠償も

 偽装工作をして保育園の設置認可を取得したとする情報サイト「東洋経済オンライン」の記事で名誉を傷つけられたとして、社会福祉法人「どろんこ会」(東京)が、サイトを運営する東洋経済新報社などに1100万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であった。吉村真幸裁判長は「偽装工作をしたと認められない」として名誉毀損を認め、同社側に330万円の支払いを命じた。記事の一部削除と謝罪広告の掲載も命じた。同社は判決を不服として即日控訴した。

 判決によると、サイトは平成29年3月に「『偽装工作』で認可を取得していたことが判明」と題した記事を公開。開園前に都から備品の不備を指導され、別の保育室から借りた備品を撮影して是正報告書を作成したなどとする内容だった。

 判決で吉村裁判長は、報告書の提出後、開園までには備品が納品されていたとして「報告書で都を欺く意図があったとは言い難い」と判断した。

 東洋経済新報社の広報担当者は「主張が認められず、大変遺憾。改めて当社の報道の正当性を主張すべく、即日控訴の手続きをとった」とコメントした。

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