2032年五輪南北共同誘致の都市をソウルに決定

平昌五輪2018の宿泊施設前の広場に並ぶ北朝鮮など各国の国旗=2018年2月1日、韓国・江陵(早坂洋祐撮影)
平昌五輪2018の宿泊施設前の広場に並ぶ北朝鮮など各国の国旗=2018年2月1日、韓国・江陵(早坂洋祐撮影)

 【ソウル=桜井紀雄】韓国と北朝鮮が共同招致を目指すことで合意した2032年夏季五輪について、韓国の大韓体育会(韓国オリンピック委員会)は11日、代議員総会を開き、首都のソウルを韓国側招致都市に決定した。競技団体の代議員による投票でソウルが49票中、34票を獲得し、候補都市に名乗りを上げていた南部の釜山(プサン)を下した。

 北朝鮮側候補都市は事実上、平壌(ピョンヤン)に決まっているとされる。ソウルでの開催が実現すれば1988年以来44年ぶり2回目。2カ国共催は初めて。今月15日に国際オリンピック委員会(IOC)とスイスで開く協議で招致を申請する見通し。

 釜山側はこの日のプレゼンテーションでソウルと北朝鮮の2都市による4都市共催を突然、提案したが、及ばなかった。ソウル側は過去の五輪経験や競技インフラの充実、平壌との交流実績をアピールした。

 2032年五輪は、インドやドイツ、オーストラリア、エジプトなどの都市も招致に意欲を示している。韓国と北朝鮮の五輪共同招致は昨年9月の南北首脳会談で打ち出したが、米朝の非核化交渉がまとまらず、朝鮮半島情勢が流動的なことから障害も少なくない。

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