涙の静岡副知事、異例の「不出馬会見」

涙の静岡副知事、異例の「不出馬会見」
涙の静岡副知事、異例の「不出馬会見」
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 任期満了に伴い4月7日に投開票される静岡市長選をめぐり、3選を目指す現職の田辺信宏市長(57)の対抗馬として最有力と目されていた静岡県の難波喬司副知事(62)が2月4日、涙ぐみながら不出馬を表明した。「混乱の責任を取る」と決死の思いで提出した辞職願は、川勝平太知事に目の前で破られた。周囲の期待に推される形で一時は立候補に前向きな発言を繰り返していた難波氏だが、なぜ最終的に断念したのか。背景を探った。(静岡支局 田中万紀)

辞表破った川勝平太知事

 「静岡市長選には立候補いたしません」。静岡県庁で4日に開かれた緊急記者会見。難波氏は一言ずつはっきりと述べると、無数のフラッシュが光る中「ちょっと失礼」と後ろを向いて涙をぬぐった。副知事単独の記者会見が異例ならば、出馬ならぬ不出馬会見はさらに異例だった。

 「みんなで新しい価値をつくるという自分の信条を実現するような選挙戦にならない。友と敵に分かれるのは望ましくない」。難波氏は時折言葉に詰まりながらも「劇場型の選挙になることは望んでいない。多くの方に出馬要請されたが、その思いに応えられず、自分の信念を優先して出馬しない決定をした」と胸の内を吐露した。

 会見の3時間前の知事室。難波氏は目に涙を浮かべながら決死の思いで川勝知事に辞職願を差し出していた。「市長選をめぐって多くの人を失望させ、混乱をもたらした。辞職してけじめをつけたい」。黙って受け取った川勝知事は中身を確認することなく、その場で破ったという。

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