生徒に配布のプリント、校長ら無断で回収・廃棄 千葉の特別支援学校

授業後生徒に無断で回収されたプリント
授業後生徒に無断で回収されたプリント

 千葉県立湖北特別支援学校(同県我孫子市)で、校長や教頭らが生徒の下校後、授業で配布したプリントを無断で生徒の個人用ファイルから抜き取り、廃棄していたことが同校関係者への取材で8日、分かった。プリントは道徳の授業を担当した教員が皇室について考えてもらうために作成し昨年1月に配布したものだったが、学校側は「『外国に誇れる文化の最たるものが皇室』と記述するなど教員の主観が強く出ており、問題」などとして同年3月に回収していた。

 廃棄された事実は生徒や保護者には知らされず、プリントを配布した教員はその後、道徳の担当を外された。

 関係者によると、無断で廃棄されたのは昨年1月の高等部流通サービス科の授業で配布された「皇室について知ろう」と題したプリント。担当教員は「国を愛する心」というテーマ設定で年間の授業計画案を提出し、稟議で校長らの了承を得た上で授業を行っていた。

 だが、授業後の同年3月に当時の教頭が「教員の主観が強く入っている」とプリントの内容を問題視。校長を含む管理職の教員で話し合い、配布済みのプリントを回収することを決めた。話し合いの直後に、生徒の下校後、校長らが教室にある生徒の個人用ファイルからプリントを回収して処分したという。ファイルは生徒の学習状況などを確認できるよう、常に教室に置いておく決まりになっていた。

 生徒の1人は産経新聞の取材に「確かにいつの間にかプリントがなくなっていたが、先生から説明などもなく何でだろうと思っていた」と話している。

 同校の西村昭男校長は取材に対し、回収の事実を認めた上で、「プリントには『外国に誇れる文化の最たるものが皇室です』といった記述があり、教員の主観が強く出ていて問題だと思った。回収は管理職で話し合って決めたことであり、(後で)生徒や保護者から説明を求められれば対応するつもりだった」と語った。