浪速風

「大阪名物」返上は統計不正ではない

大阪府内で昨年1年間に起きた刑法犯の認知件数(暫定値)は9万5562件で、平成になって初めて10万件を下回った。大阪府警が発足した昭和30年以降で最も少ない。とくに「大阪名物」と揶揄(やゆ)されたひったくりは400件で、なお全国最多だが、ピークだった平成12年の1万973件の3・6%に減った。

▶厚生労働省の不適切調査問題で、統計にはつい眉に唾を付けてしまう。府警には前科がある。24年まで過去5年間にわたって刑法犯認知件数を過少報告していたことが明らかになった。独自の集計ルールで犯罪が減ったと見せかけていたのだ。街頭犯罪が全国ワーストを脱したのもぬか喜びだった。

▶今回の犯罪減少は統計を操作したわけではあるまい。体感治安が改善しているからだ。街頭の防犯カメラやパトロールの強化、住民への啓発活動など地道な取り組みが功を奏した。なにより好調なインバウンド(訪日外国人客)が、汚名返上の証しである。