14日はバレンタインデー。好きな人にチョコレートを贈ったり、自分へのご褒美にしたりする恒例行事だが、起源がキリスト教の宗教儀式であることはあまり知られていない。ほかにもクリスマスやハロウィーン、初詣など、信仰の有無に関係なく日本人に定着した宗教行事は数多い。特定の信仰を持つ外国人から驚かれることもあるが、背景には日本人の宗教観が大きく関係しているようだ。(浜川太一)
■チョコ市場活況
今月1日、大阪市中央区の高島屋大阪店。7階催会場には国内外から150以上のチョコレートのブランドが集結し、甘い香りを漂わせていた。
「バレンタインと宗教の関係? 全然知りません」。子供に贈るチョコレートを買いに訪れていた同市阿倍野区の和田世里子(せりこ)さん(40)は首をかしげた。
日本チョコレート・ココア協会によると、バレンタインデーの起源は3世紀ローマに遡(さかのぼ)る。当時の皇帝は強兵策のため兵士の結婚を禁じたが、バレンタイン司祭が命令に反して大勢の兵士たちを結婚させ、その結果、皇帝の怒りを買い、殺された。この日が2月14日とされ、以来、バレンタインデーは司祭の死を悼む宗教行事になった。14世紀ごろからは、愛を告白し、贈り物をする日になったという。