「沖縄問題」解決には政府が哲学・戦略を ロバート・エルドリッヂ氏が講演 名古屋「正論」懇話会

講演するロバート・D・エルドリッヂ氏=7日午後、名古屋市の名鉄グランドホテル(須谷友郁撮影)
講演するロバート・D・エルドリッヂ氏=7日午後、名古屋市の名鉄グランドホテル(須谷友郁撮影)

 名古屋「正論」懇話会の第41回講演会が7日、名古屋市中村区の名鉄グランドホテルで開かれ、エルドリッヂ研究所代表で元在沖縄米海兵隊政務外交部次長のロバート・エルドリッヂ氏が「安全保障と沖縄問題」と題して講演した。

 エルドリッヂ氏は沖縄問題について、経済・社会・歴史など複雑に絡み合う問題を無視し、基地問題に単純化して結論を急いではいけないと指摘した。「問題をこじらせたのは鳩山政権だ」との声があることに対しては「自民党は沖縄の基地や米海兵隊の重要性を国民に訴えてこなかった。むしろ鳩山政権が国民への説明の機会を作ってくれた」と皮肉を込めて謝意を述べた。

 24日投開票される沖縄県の県民投票については「米軍普天間飛行場の辺野古移設に対する県民の意見を聞くいい機会」と評価した。

 また、「日本政府に哲学も戦略もなく、沖縄問題の何を解決したいのか分からない」と指摘。「米軍基地を自衛隊の管理下に置くなど、知恵と勇気を投入すれば日米同盟の強化と沖縄の負担軽減は可能。中国など海外に対しても強いメッセージになる」と提言した。

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