浪速風

桜より梅。合格祈願も「好文木」に

通勤路になっている公園の梅林で、いつの間にか早咲きの紅梅に白梅が加わった。淡い色彩とほのかな香りが、早春のハーモニーを奏でる。「梅の俳句募集」の看板があり、毎年、応募作品が掲示される。立ち止まって一句ひねる人がいた。「梅一輪 一輪ほどの あたたかさ」(服部嵐雪)

▶桜より梅が好きになってきた。花見といえば桜だが、盛大に満開を迎えてパッと散るのは、どうも気ぜわしく、にぎやかすぎる。嵐雪の句のように、一輪の梅に春を感じるのがいい。それに長く楽しめる。万葉集には梅を詠んだ歌が約120首もあり、昔の日本人にとって花とは梅のことだった。

▶梅には「好文木(こうぶんぼく)」の異称がある。晋の武帝が学問に励んでいる時は梅の花が咲き、怠ると散りしおれたという故事に由来する。日本でも飛び梅伝説のある菅原道真が学問の神様として崇(あが)められる。入試シーズンたけなわである。受験生は梅に合格を祈願して、「サクラサク」を待つ。