「北方領土」で露大使に再反論 本紙・斎藤論説顧問「降伏後の占領は国家犯罪」

 大使ご指摘の「死の工場」といえば、シベリア抑留の残虐非道はどう説明されるのか。戦後、日本の支配地域から「ダモイ(帰国する)」とだまされて60万人もの日本人が酷寒の地へ拉致され、奴隷労働同然に酷使されて6万人(数字はいずれも未確定)もが無念の死を遂げた。実は私の亡き父親も辛酸を嘗(な)めた抑留者である。

 第二次大戦中、ロシア西部でポーランド将校ら2万人余が虐殺される「カチンの森事件」が起きた。スターリンは一貫して「ナチスドイツの仕業」と世界に大ウソをつき続けたが、ポーランド政府の粘り強い真相解明の国際的訴えかけでゴルバチョフ時代、ついに「スターリンの犯罪」と認めさせた。

 ガルージン閣下にもぜひ、幅広く世界の歴史教科書をお読みいただくことをおすすめしたい。

【プロフィル】斎藤勉

 さいとう・つとむ 昭和24年生まれ。47年、東京外語大ロシア科卒、産経新聞入社。モスクワ支局長、ワシントン支局長、東京編集局長、取締役副社長大阪代表などを歴任。昨年から論説顧問。「ソ連、共産党独裁を放棄へ」のスクープで日本新聞協会賞受賞。著書に『スターリン秘録』(産経新聞出版)など。

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