船橋市公認の路上ライブ、「まちかど音楽ステージ」に登場する異色の音楽ユニット「かなりやとうばん」が日本童謡学会(東京都新宿区)のアンバサダー(親善大使)に選ばれ、新たな活動を始めた。「ゆかりの地を訪れ、童謡の魅力を伝えていきたい」と意気込んでいる。(塩塚保)
かなりやとうばんは松戸市の榊原有菜さんと川崎市の浅見昂生(こうせい)さんの2人組。歌を忘れたかなりやにならないようにとの思いを込めて命名した。ライブや公民館での出前ステージなど多彩な活動を続け、親しみやすい童謡や唱歌、オリジナル曲などを届けている。昨年12月、柏市で行ったライブ会場に日本童謡学会事務局のスタッフが訪れ、高く評価されたという。
1月31日、東京都内で日本童謡学会の一般社団法人化に関する記者発表会が行われた。童謡は日本人の心のよりどころとして長年歌い継がれてきたが、時代の変化によって童謡に触れる機会が激減している。同学会は童謡の歴史などを研究し、国内外で普及する活動を行っていく。
会場で童謡ライブが行われ、アンバサダーとなったかなりやとうばんが登場した。浅見さんがギターを弾き、榊原さんがまろやかな声で木更津市ゆかりの「証城寺(しょうじょうじ)の狸囃子(たぬきばやし)」などを軽快に歌った。
榊原さんは「日本童謡学会が私たちを見つけてくれて、とてもうれしい。童謡に新しい風を吹かせる。その風が未来に吹き続けるようにしたい」と笑顔で語った。榊原さんは中学校の合唱部で活動。音楽の素晴らしさに感銘を受け、歌の道を進んで来たという。
浅見さんは「童謡は子供も大人も楽しめる。私たちの活動が認められてよかった。童謡の舞台や作詞、作曲家の生誕地などを訪れて現地で演奏したい。つながりのある人たちとたくさん出会いたい」と意欲を示す。
船橋市は平成26年から金曜日の夜、京成船橋駅連絡デッキ(同市本町)で公認の路上ライブを行っている。登録ミュージシャンは300組を超える。浅見さんは「暖かくなったら、また、路上ライブをやりたい」と話している。