韓国のベストセラー小説、日本でも異例ヒット 「女性の生きづらさ」に共通項(2/3ページ) - 産経ニュース

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韓国のベストセラー小説、日本でも異例ヒット 「女性の生きづらさ」に共通項

騒動も発生

 男女差別を主題に据えた「フェミニズム小説」として、韓国では社会現象になった。共感だけではなく反感も生まれ、人気K-POPグループ「Red Velvet」のメンバー、アイリーンさんがこの本を読んだと話したところ、「フェミニズム宣言をした」と、一部で写真やグッズが壊される騒動も起きた。

 この本が出版された2016年、韓国ではソウルの繁華街、江南(カンナム)駅付近で女性が殺害される事件が発生。犯人の男は「女性に無視された」などと供述し、女性へのヘイトクライム(憎悪犯罪)として注目を集めた。昨年には世界中で広がった「#MeToo」運動に関連し、韓国内で性被害を訴えた女性が本について言及し、話題となった。

 斎藤さんによると、知人の韓国在住の日本人女性が、交際している韓国人男性にこの本を読んだと言うと、「俺も読みたいけど(文句を)言われるから読めない。読んだことは表に出すな」と言われたという。斎藤さんは「それだけ韓国の男性に与えた衝撃が大きかったということだと思う」と話す。

 日本でも、昨年12月8日に発売されるとわずか4日で3刷となり、2月1日時点で6刷6万7000部を発行した。書店の文芸ランキングでも1位を獲得、完売店も続出している。インターネット上ではツイッターで「82年生まれキムジヨン」というハッシュタグが作られ、「多くの人に読んでほしい」「共感できる」という書き込みが相次ぎ、自身の「差別体験」をつづる人もいる。

 筑摩書房の担当者は「韓国文学は昨年あたりから徐々に盛り上がりを見せていたが、これほどのヒットは例がない。フェミニズムや韓国文学に興味のある人、K-POPアイドルなどが好きな人だけでなく、口コミで広がっている」と驚く。