大阪知事・市長入れ替わり選、3月までに判断へ

取材に応じる松井一郎・府知事(手前)と吉村洋文・大阪市長=1月23日、大阪市北区(安元雄太撮影)
取材に応じる松井一郎・府知事(手前)と吉村洋文・大阪市長=1月23日、大阪市北区(安元雄太撮影)

 大阪府の松井一郎知事は3日、協議が停滞している大阪都構想の住民投票実現のために、松井氏が大阪市長選、吉村洋文市長が知事選に入れ替わるダブル選の可能性について「吉村市長とは大阪全体のことを一体で取り組んできた。(知事・市長の)どちらになろうと職務職責を果たせるという気持ちはある」と述べ、都構想取りまとめの見通しが立たなければ、有力な選択肢になり得るとの考えを示した。大阪市内で記者団の質問に答えた。

 このまま知事と市長が入れ替わらずに4月の統一地方選で出直し選を実施すると、松井、吉村両氏が当選しても公職選挙法の規定により今年11~12月には任期を迎え、再び知事・市長選を行わなければならない。

 この点について松井氏は「税金の使い方を効率よくやっていくという、われわれ(大阪維新の会)の行動原則からすると(1年に2度の選挙は)ちょっと違う」と言及。「今の時点で市長をやりたいなんて全然思っていない」としながらも、都構想の法定協議会で公明党の協力が得られない現状が続くのであれば、「あらゆる手段を使わなければ」と強調した。

 吉村氏も同日、大阪市内で記者団の取材に応じ、「(1年に)同じ選挙を2回するというのは、税金の使い方として市民府民の理解を得られない」と明言。任期満了まで待って改めて都構想の民意を問うという方法については「それだと4年前と同じことを言っていることになる」と明確に否定した上で、入れ替わり選を実施するかどうかを含め、統一選を視野に入れて3月中に結論を出すとした。

 維新は、都構想の協定書(制度設計)を現在の府議・市議の任期内である3月中に完成させたい意向だが、これまで協力相手とみなしてきた公明側と対立が深まっており、直近の法定協は空転状態が続いている。

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