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「アメ車」救った中国市場 米産業界、摩擦緩和求め圧力

 米国と中国が「貿易戦争」解消を目指す協議を進める中、米産業界から米政権に対して対立緩和を促す声が強まっている。米企業の成長を支えた対中貿易の低迷や、中国の景気減速への懸念が米株式市場を揺さぶる中、トランプ米大統領も「中国は合意を望んでいる」と協議進展に前向きだ。米国の製造業を代表する自動車メーカーの一部ブランドは中国販売のおかげで「存続の危機を脱した」とされ、米企業は中国との「切れぬ縁」を再確認している。

(ワシントン 塩原永久)

 米中西部デトロイトで1月27日まで開かれた「北米国際自動車ショー」の会場では、中国メディアが熱心に米国製の「アメ車」を取材する様子がみられた。

 「パリや東京の自動車展も取材するけど、ここなら中国で人気のアメ車の『未来』が分かるからね」

 中国・成都市から訪れた自動車専門ブログを主宰する男性(33)はそう話し、米フォード・モーターの高級車ブランド「リンカーン」の新型車にビデオカメラを向けた。

 2008年の金融危機は米自動車大手を直撃。景気低迷が長引く中、「ポンティアック」や「ハマー」といった米国車の人気ブランドが消滅した。そんな米メーカーの危機克服を支えたのが中国市場だった。

 「米国文化にあこがれる高所得層の若者」(中国人ジャーナリスト)を中心に人気が伸び、米ゼネラル・モーターズ(GM)など米大手の収益を下支え。GM傘下の「ビュイック」も存続の危機にひんしたが、中国市場で米国をしのぐ売れ行きをみせ、「中国がビュイックを救った」(フォーブス誌)とも指摘される。

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