レーダー照射問題で対立が軍事分野に及んだ日韓関係だが、とりわけ先行きが懸念されるのは、いわゆる徴用工訴訟だ。確定判決を朴槿恵(パク・クネ)政権の意向で先送りさせたとして、最高裁の梁承泰(ヤン・スンテ)前長官(70)が韓国の検察当局に逮捕された。事件は左右の政治勢力による報復合戦の側面もあり、韓国の「法治」や「三権分立」の特異性を際立たせている。(社会部編集委員 加藤達也)
韓国メディアは、梁前長官が徴用工訴訟の判決見直しを念頭に「確定すれば、日本が国際司法裁判所に提訴するなど反発する」と担当裁判官に発言したと報道した。
また、担当裁判部には下級審判決の破棄を要求したとされ、検察は当時の朴政権の意向を受けた最高裁長官が個別の裁判に介入した職権乱用事件の構図を描く。