衝撃事件の核心

BTC5千万円 強盗自演男の皮算用

空の紙袋

筒井被告が籠原被告と糸久被告と企てたのが、強盗の被害に遭い、現金を奪われたかのように装うことだった。

大金が入った紙袋を手にした筒井被告は、JR名古屋駅構内のトイレで籠原被告に現金を託すと、依頼者の男性の元に向かうとみせかけるため、空の紙袋を持って新幹線に乗り込みJR新大阪駅へ。同駅近くの路上で、強盗役に自らを襲わせ、強盗の被害者になりすました。

駆けつけた警察官に「顔に刺激臭がする液体をかけられ、袋を奪われた」と説明し、大金を手にすることに成功した。3人はこの金を、借金返済のほかキャバクラの支払いや旅行代にも充てたとみられている。

申告を受けた大阪府警淀川署は、強盗致傷容疑で捜査を開始。しかし、刑事たちが稚拙な演出を見破るのに時間はかからなかった。

見抜かれた自作自演

被害者とされた筒井被告に事情を聴いていくと、つじつまが合わない点が次々と出てきた。強盗が自作自演である疑いを持った同署は、携帯電話の通信履歴などを調べ、被害申告から20日後の10月23日、業務上横領容疑で筒井被告を逮捕した。

液体をかけられたと主張した目の痛みは、市販のチューブ入りの唐辛子を自ら塗っただけだったことも判明。同署は現金を受け取った籠原被告と、現場の下見や連絡役などを担った糸久被告も同容疑で逮捕した。3人は容疑を認めているが、強盗役などさらに共犯者がいるとみられ、虚偽の被害申告についても立件を検討しているという。

捜査関係者によると、換金されたBTCは、もともと被害男性が保有していたものではなく、保有者から換金を頼まれたものだった。

BTCは、含み益が1億円を超える「億り人」が話題になるなど、数年の間に価値が急騰。現在もピーク時に比べ下落こそしているが、乱高下することも珍しくない、いわば「ハイリスク・ハイリターン」の投機先だ。仮想通貨の現金化は、対応した現金自動預払機(ATM)を使ってできるが、今回のように仲介業者に依頼する場合は、大金が動くだけに注意しなければならないだろう。

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