殺人未遂容疑で前橋市職員逮捕 続く不祥事に信頼失墜 「ありえない」憤る市民

 さいたま市大宮区のビルで23日、埼玉県春日部市の会社員、金井貴美香さん(22)が包丁で首を切り付けられて死亡し、埼玉県警が殺人未遂の疑いで前橋市職員の男を逮捕した事件は、群馬県内にも大きな衝撃をもたらした。前橋市では昨年、職員による窃盗事件やセクハラ問題などが発覚し、市民から厳しい目を向けられていた。今回の事件で信頼はさらに失墜した。 (糸魚川千尋、橋爪一彦)

 逮捕されたのは、前橋市大渡町の市道路管理課の技師、鳥山裕哉容疑者(25)。埼玉県警は容疑を殺人に切り替え、詳しく調べる方針だ。

 事件から一夜明けた24日、幼い子供を連れて市庁舎を訪れた20代の専業主婦は「安心して来る場所なのに、そんな職員がいたと思うと怖い」と眉をひそめた。30代の男性は「市の職員がそんなことをするなんてありえない」と厳しい表情で語った。

 鳥山容疑者の自宅マンションには報道陣が詰めかけ、物々しい空気に包まれた。玄関のドアは閉まったままひっそりとしており、インターホンにも応答はなかった。

 関係者によると、鳥山容疑者は両親と同居していたという。正月に会ったという隣人の自営業の50代女性は「好青年でいつも感じよくあいさつしてくれた」と話し、驚きを隠せない様子だった。

 同じ階の施設職員の女性(65)は1~2カ月前に母親と一緒にいる姿を見かけたといい、「おとなしそうな印象だった」と振り返った。

 市は昨年5月、拾った財布から現金を抜き取って盗んだとして、環境部の主任清掃技師の50代男性を停職3カ月の懲戒処分とした。

 同年6月には、部下の女性にセクハラ行為をしたり、飲酒運転をしたりするなどしたとして、40代の管理職の男性を停職9カ月の懲戒処分とし、降任させていた。

 鳥山容疑者の逮捕を受け、24日会見した山本龍市長は「信頼を裏切るような行為を行ったことは大変残念だ」と険しい表情で述べた。

 市は事実を確認し、厳正に対処するとしている。

会員限定記事会員サービス詳細