細長い姿が特徴の深海魚「リュウグウノツカイ」が但馬沖の日本海で捕獲され、豊岡市瀬戸の水族館「城崎マリンワールド」に運ばれた。24日に行われた計測では体長4メートル42センチ、重さ32キロで、「これだけの大きさは見たことがない」と同館。冷凍標本にした後、限定公開するとしている。
リュウグウノツカイは、太平洋やインド洋などの水深200メートルを超える水域にすみ、「幻の深海魚」ともいわれる。同館によると、23日朝、同市竹野町の海岸に近い定置網に掛かっているのが見つかったが、水揚げ時には死んでいた。同日、漁業関係者からの連絡で同館が譲り受けた。
この日は、飼育員ら6人がかりで計測場所に移した。体は銀色で黒い斑点が見られ、頭から尾まで赤い背びれがびっしり。頭頂部から伸びたひれは約80センチ、腹びれも約90センチあった。
搬入時は同館スタッフも「興奮した」といい、飼育員の伊藤公一さん(44)は「数年前にも運び込まれた例がある。3メートル程度が多い中、今回の大きさは珍しい」と驚いていた。
同館は胃の内容物を調べた後、冷凍標本にし、バックヤードツアーでの公開を予定している。