安倍首相、ロシアへ出発「交渉をできるだけ進展させたい」 22日に首脳会談

 安倍晋三首相は21日、ロシアとスイスを訪問するため、政府専用機で羽田空港を出発した。22日午後(日本時間同夜)にモスクワでプーチン大統領と会談し、北方領土問題などについて協議する。

 首相は出発に先立ち、首相官邸で記者団に対し、北方領土問題を含む日露平和条約締結交渉について「戦後70年以上残されてきた課題であり、決して容易なものではない。モスクワではじっくりと時間を取ってプーチン大統領と胸襟を開いて話し合い、平和条約交渉をできるだけ進展させたい」と決意を述べた。

 プーチン氏との会談は通算25回目。北方領土の主権をめぐる認識などで主張は大きく異なるが、平和条約締結に向け両首脳が一致点を見いだせるかが焦点となる。北方四島での共同経済活動や元島民の航空機墓参などの人道措置について協議するほか、2月下旬に開かれる米朝首脳再会談を踏まえ、北朝鮮政策に関しても意見を交わす見通しだ。

 首相はロシアを訪問後にスイスに移動し、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に5年ぶりに出席する。6月に大阪で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議(サミット)の議長国として、世界経済の見通しや日本の成長戦略について演説する。

 首相は記者団に「デジタル時代の世界のルール作り、自由貿易の推進や気候変動問題、海洋プラスチック対策など地球規模の課題について日本の考え方を世界に向けて発信したい」と強調した。その上で「G20大阪サミットに向けて、国際社会のさまざまな課題を解決する上でリーダーシップを発揮していきたい」と語った。

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