「再生プラスティック」を使ったファッションは、本当に環境に優しいのか?

ポリエステルやスパンデックス、ナイロンのような、スポーツウェアの伸縮性やアウターウェアの耐久性を高める合成繊維は、プラスティック(合成樹脂)の同類であり、生物によって分解されることはない。これらの合成繊維を洗濯すると、少量の「マイクロプラスティック」がはがれて下水に流れ込み、プラスティックの粒子が海にまき散らされる。

エヴァーレーンのアパレル部門責任者を務めるキンバリー・スミスは、「当社が目指しているのは、合成繊維を製品ラインに加えないことです。カテゴリーを増やしていけば自然にそうなります」と語る。同社が3年前に最初のアウターウェアのシリーズを立ち上げたときに使った素材は、合成のフリースとポリエステルだった。「(アウターウェアの需要が)あることがわかり、ならば正しいやり方でつくらなければならないと考えました」

ReNewシリーズに使われる素材は、それ以来、開発が続けられてきたものだ。エヴァーレーンは、プラスティック製の水のボトルを回収している台湾と日本の団体と提携している。回収されたボトルは色別に分類され(利用できるのは透明なボトルのみ)、キャップを取り除き、消毒してから、巨大なグラインダーに送り込まれる。グラインダーでチップに粉砕し、溶解して細い糸に紡がれたあと、詰め物や衣服になる。

IDEOのポートフォリオ・ディレクターで、循環経済に注目しているローレン・ヤーマスによると、エヴァーレーンのようなブランドは「顧客の期待におけるシフト」を感じとっているという。明確な価値観をもつ企業から衣類を購入することに価値を見出しているのだ。

一方、販売側は再生プラスティックにまつわるストーリー性があると売りやすい。「これはかつて水のボトルでしたが、パーカーになりました」という具合だ。

アディダスは17年に、再生プラスティックを使用した靴を100万足販売した。リフォーメーション(Reformation)やロシーズなどの衣料品ブランドも、製品に再生原料しか使わないことによって大勢のファンを獲得している。

それでもマイクロプラスティックは海に流れ込む

持続可能性を訴えるマーケティングを行うことは、ブランドにトレンディーな印象を与えるようだ。一方で、こうした取り組みが実際には地球にどのような影響を与えるのかという点は判断が難しい。再生プラスティック製の衣料を洗濯機にかけた場合でも、マイクロプラスティックがはがれて最終的に海に流れ込む可能性はある。