パリで日仏文学シンポ 林真理子さんらが出席

18日、パリで開かれた日仏文学シンポに出席した林さん(左)、桐野さん(中)、角田さん(三井美奈撮影)
18日、パリで開かれた日仏文学シンポに出席した林さん(左)、桐野さん(中)、角田さん(三井美奈撮影)

 【パリ=三井美奈】日仏の女性作家が討論する「日仏文学シンポジウム」が18日、パリで開かれた。昨年から続く日仏友好160年の記念行事の一つ。

 シンポジウムには日本から林真理子さん、桐野夏生さん、角田光代さんの3人が出席。「この世の記憶」の著者ステファニ・ジャニコさんら2人のフランス人作家と意見を交わした。

 男女の読者の違いについて、桐野さんは「日本では母娘というテーマが多い一方、父から息子に伝える、という小説はない。男性は『家』を重視する」と指摘。ジャニコさんは「日本の男性は女性作家の性描写を嫌うと聞いた。フランスではむしろ男性がそうした刺激を好む」と指摘した。

 角田さんは「サイン会に来るのは90%が女性」だと述べ、女性作家の読者の多くは女性だと発言。林さんは「本を読む人が減った。『難破しつつある船に乗っている』ようだ」と、書籍離れが進んでいることに触れた。会場には約70人が集まった。

 フランスでは桐野さんの「東京島」、角田さんの「八日目の蝉」などの作品が翻訳出版されている。

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