皇室ウイークリー

(574)両陛下、最後の歌会始ご臨席 被爆地、震災被災地も話題に

 一般応募で選ばれた人のうち、岡山県の重藤洋子さんは「無言になり原爆資料館を出できたる生徒を夏の光に放つ」と詠んだ。儀式後に両陛下と面会した際、中学校教諭として昨年、広島市を平和学習で訪れた際の情景を詠(うた)ったことを伝えると、陛下は「最近の若い人は、だんだんわからなくなっていますね」と話し、記憶の継承の難しさを憂慮されていたという。

 東日本大震災後、福島県で復興支援に携わる秋田県の鈴木仁さんは、津波で甚大な被害を受けた福島県沖の海の風景を歌にした。皇后さまから福島の現状を尋ねられ、津波で崩れた崖のそばにハマギクの白い花が咲いていることを報告すると、喜ばれていたという。

 最年長の89歳で入選者となった高知県の奥宮武男さんは、これまでに50回以上応募し、初めての入選。平成最後の歌会始に選ばれたことに「ありがたくて、お招きいただき光栄でした」と感激した様子で話していた。

 雅子さまは8日からの風邪の症状が改善しないため、11日の講書始の儀と16日の歌会始の儀への陪席を見送られた。長女の敬宮(としのみや)愛子さまも、10日から熱やせきなど風邪の症状がおありという。

 宮内庁によると、両陛下は17日、阪神大震災の発生時刻に合わせ、お住まいの皇居・御所で黙祷(もくとう)し、犠牲者を悼まれた。両陛下は発生から間もない平成7年1月31日に兵庫県を訪れて被災者を見舞ったほか、発生10年と20年に神戸市で開かれた追悼式典にご出席。御所で毎年、黙祷をささげられている。

 【皇室ウイークリー】は毎週金曜日、「産経ニュース」に掲載している企画です。ニュース紙面ではあまり触れられない各宮家のご活動や、病気療養中の雅子さまのご様子を含め、宮内庁担当記者が皇室の1週間を振り返ります。紙面で掲載できなかった写真もご紹介しています。さらに「皇室ウイークリー」だけのために撮影した写真も、アップしています。

 また皇室のご動静は、産経新聞社が取材協力している扶桑社の季刊誌『皇室 Our Imperial Family』でも、詳しくご紹介しています。