主張

阪神大震災24年 教訓を胸に刻み生かそう

 阪神大震災から24年となった。犠牲になった6434人の霊前に深く頭(こうべ)を垂れたい。そして災害に強い社会を築くことを改めて誓いたい。

 近年の自然が振るう猛威はすさまじい。頻発する地震ばかりではない。昨年、日本は西日本豪雨や台風21号などの気象災害にも相次いで見舞われた。防災と減災のための意識を、いくら持っても十分すぎるということはあるまい。

 阪神大震災は、人々が長く忘れていた大規模災害だった。多くの問題を手探りで解決していかなければならなかった。

 政府や自治体の初動は遅れた。「初めての経験で混乱があった」という、当時の村山富市首相の言葉が全てを語っている。多くの救援物資が寄せられボランティアが集まったが、適切に振り分ける余裕がなかった。被災者の精神的なケアも未知の分野だった。

 一つ一つを全員で乗り越えてきた。初動の遅さやボランティア活動の教訓は引き継がれ、心のケアの手法も確立された。被災者生活再建支援法など制度面の整備も進んだ。悲しすぎる体験を繰り返すまいという思いが、国民に共有されていたからではないか。

 その後も残念ながら、東日本大震災など大きな災害が相次いだ。そのたび、痛ましい犠牲とともに災害対応の新たな知見が加えられ、今では膨大なノウハウが蓄積されている。

 災害の経験を胸に刻み生かしていくことは、生き残った者の責務だと自覚したい。阪神大震災は、その思いの原点をなそう。

 教訓は、いくらくんでも尽きない。昨年の大阪北部地震では、小学校のブロック塀が倒れて女児が死亡した。全国の学校で調査が行われ、安全に問題があるものが多いことがわかった。

 阪神大震災でも、約2500カ所のブロック塀などが壊れた。10万棟以上が全壊した巨大災害であり、対応すべき問題はあまりにも多かった。それでも塀の危険性を教訓とできなかったのは、残念でならない。災害が起こるたび、ああしておくべきだったという悔いを残したくはない。

 予知が難しい地震と違って、豪雨や台風はかなり正確に予測ができる。西日本豪雨では、早めに避難することの大切さを痛ましすぎる教訓として残した。今後に必ず生かさなければなるまい。

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