【阪神大震災24年】「2人の分まで生きる」妻と娘失った男性、息子と祈り(2/2ページ) - 産経ニュース

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阪神大震災24年

「2人の分まで生きる」妻と娘失った男性、息子と祈り

 震災は幸せな日常を一瞬にして奪った。さらに震災から間もない7年3月、母の重子さんが持病が悪化して入院。「早く治して一緒に住もう」。励ましもむなしく、親子2人で暮らすためにマンションを借りた直後の同年6月、重子さんは64歳でこの世を去った。

 「もう独りぼっちなんや」。この世に何の希望も見いだせなかった。

 だが、震災から13年がたった20年、仕事先で知り合った純子さん(45)と再婚した。翌年には龍輝(りゅうき)君(10)が生まれた。「この命を大切にしていかなきゃ」。そんな思いで胸がいっぱいになった。

 震災で失った命と、震災後に出会えた新たな命-。幸せな日常に感謝すればするほど、失った2つの命の重みを実感した。

 「龍輝にはお姉ちゃんがいてね、震災で亡くなったんだよ」

 毎年1月17日には龍輝君と東遊園地を訪れる。今年も午前5時46分、親子で目を閉じて静かに祈った。

 孝治さんは天国から見守る2人に心の中でささやいた。「新しい命はつながっているよ。2人の分も合わせて幸せな家庭を築いていくからね」