「歌舞伎見ながら、電話来ねえなと…」芥川賞・上田岳弘さん

第160回芥川賞・直木賞が決定。芥川賞に決まり会見で喜びを語る上田岳弘氏=16日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(飯田英男撮影)
第160回芥川賞・直木賞が決定。芥川賞に決まり会見で喜びを語る上田岳弘氏=16日午後、東京都千代田区の帝国ホテル(飯田英男撮影)

「ニムロッド」(「群像」12月号)で第160回芥川龍之介賞を射止めた上田岳弘さん(39)は3度目の正直での受賞。16日夜、帝国ホテル(東京都千代田区)で行われた記者会見には、終始落ち着いた表情で記者らの質問に応じた。

--受賞が決まって

「そうですね、よかったです」

--受賞の報をどこで受けたのか

「(芥川賞候補は)3回目だったんで、新春歌舞伎を見ながら(待っていた)。ちょうど『番町皿屋敷』の2幕目が終わって、幕間で電話ねえなと言っているところに電話がかかってきたという感じでした」

--その時の気持ちは

「そうですね…受賞したな」

<会場に笑いがもれる>

--芥川賞に対する思いは

「僕は3回目、デビューして5年半少しですけど、すごく候補にしていただくだけで話題になってすごく大切な賞なので、こういう形で評価をいただけてうれしい」

<受賞作「ニムロッド」は、IT企業で仮想通貨の採掘業務を任された38歳の男性社員が主人公。心に傷を抱える友人や恋人との切ない交流と別れを描き、現代の情報化社会を生んだ人類の欲望と憂鬱をすくい上げた>