年明けの4日は宮古市に車を走らせた。三陸鉄道はJR東日本から山田線宮古-釜石間(55・4キロ)の移管を受けて3月23日に第三セクターで国内最長となるリアス線(盛-久慈間163キロ)の運行を始める。これを前に宮古駅構内に新たに設けられた移管区間を担当する運行本部の開所式を取材するためだ。
リアス線の開業は東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた三陸沿岸の被災地が一本の鉄路で結ばれることを意味する。震災以降不通だった移管区間は8年ぶりの運行再開でもある。リアス線の開業そのものが震災復興を内外にアピールする絶好の機会となる。
移管区間はJR東日本が約200億円をかけて復旧させた。移管前で、開所式はリアス線開業準備に伴い、三鉄が運行本部を事前使用するのに合わせて開かれた。式自体は運行本部の看板を三鉄の取締役会長でもある達増拓也知事と中村一郎社長が除幕しただけだった。
しかし、移管区間の指令室がある2階で行われた仕事始め式の訓示で達増知事は集まった社員約40人の士気を鼓舞するようにこう呼びかけた。「リアス線が全国で一番長い第三セクター鉄道になる大切な年を迎えた。生まれ変わった三陸の姿を世界に発信できるように頑張っていきましょう」
◆イベントめじろ押し
震災から8年目となる今年は被災地の三陸沿岸でイベントがめじろ押しだ。最大の呼び物は釜石市の釜石鵜住居(うのすまい)復興スタジアムが被災地唯一の会場となるラグビーのワールドカップ。「フィジー-ウルグアイ」(9月25日)と「ナミビア-カナダ」(10月13日)の2試合が行われる。