浪速風

大切にしたい「生活の古典」

1月は日本の伝統に触れることが多い月である。正月料理の品々や初詣の光景もそうだろう。しめ飾りなどを焼く「どんど」も行われる。辞書的には小正月15日の行事だが(広辞苑)、今ではこの3連休に行われるところも多いようだ。

▶正月の風景も変わった。近所で見かける飾りも簡素になっている。けれども、伝統に触れる機会があることはやはりうれしい。しめ飾りには、境界を作って家に神様を迎えるような清浄感がある。風景が変わっても、今に残る風習が古い日本につながっていることを感じる。

▶民俗学者の折口信夫(しのぶ)は年中行事を「生活の古典」と呼んだ。合理的な暮らしだけでなく、「過去の生活を思う事によって慰めを感じる場合が多い」(「生活の古典としての民俗」)という。一方で、「生活風習を打破して、過去の文化を壊してしまったことが非常に災いしている」(「地方文化の幸福の為(ため)に」)とも。どんどの炎に過去をしのぶとしよう。