徴用工「争点化は賢明でない」 文在寅大統領、解決策示さず

 徴用工問題について文氏は「韓国政府がつくり出したのではなく、不幸な歴史のために生じた問題だ」と指摘。日本政府に「もう少し謙虚な立場」になるよう求めた。司法の判決に政府が関与できず、尊重すべきなのは日本も同じだとし、「日本も不満があっても仕方がないとの認識を持つべきだ」と述べた。

 協定では未解決だという最高裁の判断に従って「被害者らの苦痛を癒やすために韓日両国が真摯(しんし)に知恵を集める必要がある」と強調し、「問題を政治的攻防の材料とみなし、未来志向的な関係を毀損(きそん)しようとするのは望ましくない」と重ねて日本側にクギを刺した。

 約2時間に及んだ会見冒頭には約30分間の演説も行い、北朝鮮との経済協力推進に意欲を示した。日本による統治からの独立を掲げた「3・1独立運動」から今年で100年になる意義も強調し、「いまや分断の克服を夢見て実現への最後の峠を越えている」と語った。日本に関する言及は会見終盤、NHK記者の質問に対する回答だけだった。

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