世界遺産「日光の社寺」 生きた伝統残せるか

 祭事など伝統行事は、そのときだけ集まればよいというわけではなく、例えば子供たちが練習する期間が必要となるなど観光客の増加などで解決する問題ではない。日光の社寺の建築様式を守る改修作業にあたる担い手も減っては来ているが、それ以上にまち全体の人口減少が祭事など生きた伝統に与える影響が大きいという。

 「東京から近い世界遺産としてこれからも多くの人が来るだろう。だが、支えているのは人やコミュニティーだ」と鈴木副参事は不安を隠さない。たとえ陽明門など歴史的な建造物がきれいに残っても、伝統を残せるかどうかは最後は人だといい、今後を危惧するようにこうつぶやいた。「形のあるものは残せても、形のないものはどうなのか」(楠城泰介)

 ■未来予想図

 最近は、マウンテンランニングの大会など観光地としてだけでなく、自然豊かな場所を利用したイベントも増え、若い移住者の関心も高い。奥日光を含めた観光地開発の進展にあわせ、地元に活気が出ることで、日光の社寺を取り巻く環境が改善する。

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