栃木・那須の雪崩事故、遺族が徹底捜査求め地検に申し入れ

那須雪崩事故の捜査への申し入れを行うため宇都宮地検に入る弁護団ら=8日、宇都宮市小幡の宇都宮地検(根本和哉撮影)
那須雪崩事故の捜査への申し入れを行うため宇都宮地検に入る弁護団ら=8日、宇都宮市小幡の宇都宮地検(根本和哉撮影)

 栃木県那須町で平成29年3月、県立大田原高校の生徒と教諭計8人が犠牲となった雪崩事故の被害者遺族と弁護団が8日、宇都宮地検を訪れ、事件の捜査に関して申入書を提出し、引率教諭らの刑事責任追及を求めた。

 5家族7人の遺族と弁護士5人が阪井博検事正宛てに申入書を提出し、約30分間、捜査の徹底や厳重な処分を訴えた。申入書は、引率教諭のうち主導的な役割があった3人に加え、事故が起きた講習会を実施した県高校体育連盟登山専門部の部長だった元校長を含めた4人の起訴を要請。遺族は、事件を教訓として教育現場に緊張感を持たせ、全国の部活動でも生徒の安全確認が徹底されるよう求めている。

 事件は、県警が業務上過失致死容疑で捜査中で、送検前の段階だが、処分を決定する地検に対し、遺族の思いを伝えておきたいという考えがあったという。対応した検事は「徹底した捜査を行い、適正に処分する」と応じたものの、捜査の現状や処分の時期については明言しなかったという。

 犠牲となった教諭、毛塚優甫(ゆうすけ)さん=当時(29)=の父、辰幸さん(66)は「わが子を失ったつらさを伝えた。8人も亡くなっているのに教育委員会の処分は軽すぎる。検察側はしっかり話を聞いてくれたので、大きな一歩だと思う」と話した。

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