大型80センチ級ハンザキ 丹波「空白地帯」佐治川で3匹発見 兵庫

佐治川で捕獲した体長82センチの大型ハンザキ=丹波市青垣町(いずれもハンザキ研提供)
佐治川で捕獲した体長82センチの大型ハンザキ=丹波市青垣町(いずれもハンザキ研提供)

 丹波市青垣町の佐治川で昨年末、国の特別天然記念物の80センチ級の大型ハンザキ(オオサンショウウオの和名)3匹が相次いで見つかった。同川を含む加古川上流域は、これまでハンザキの目撃情報がほとんどなく、朝来市生野町の「日本ハンザキ研究所」の栃本武良所長は「加古川上流域でのハンザキ確認は貴重な資料」としている。

 目撃情報などで、佐治川を調査した栃本所長によると、昨年11月30日、水量が少なくなった青垣町の佐治川で、体長80センチのハンザキ2匹を近くの住民が見つけ、すぐに水量の多い上流で放流した。

 その後、発見場所近くでハンザキの生存情報がハンザキ研にあり、12月18日、栃本所長らが現場で体長82センチのハンザキ1匹を捕獲した。

 佐治川は水量も回復し、餌になるサワガニなどを確認したことで、栃本所長はハンザキに個体識別のマイクロチップを埋め込んで現場の川に放流した。

 栃本所長は加古川上流域のハンザキ調査は約10年ぶりとあって、「明るい茶色の体色で、健康状態もよく、これからも追跡調査したい」と意欲を見せた。

 県内のハンザキ調査は、ハンザキ研のある市川水系がよく知られているが、加古川上流域はハンザキの空白地帯。今回の80センチ級の大型ハンザキの発見で、栃本所長は「加古川上流域もハンザキ生息の重要な自然環境。ハンザキへの関心を深めてほしい」と話した。

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