平成の御世の完結と新時代幕開けの年となった。天皇、皇后両陛下の国民、社会への慈愛に満ちたお姿には感謝しきれない思いだ。同時に50年、100年先を見据えて皇室の現状を認識し、歴史に学ぶことの大切さを痛感する。
国民の敬愛する皇室は、代役のかなわない神事や儀礼を担い続けることで、権力とは無縁の特別な権威を巧まずして身にまとう。
日本国の特徴は天皇が宗教の主宰者であることだ。天皇と皇室は祈りの主体であり、皇室を別格の権威としていただくのが日本国である。皇室の特徴を考えるとき、私は歴代天皇の中でとりわけ第119代の光格天皇に興味を引かれる。後に詳述する同天皇は天皇陛下の6代前、直系のご先祖である。