新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか

(5)介護、アジアの手本に 「自立支援」「認知症ケア」「看取り」ノウハウ発信

【新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか】(5)介護、アジアの手本に 「自立支援」「認知症ケア」「看取り」ノウハウ発信
【新時代・第1部 日本はどこへ向かうのか】(5)介護、アジアの手本に 「自立支援」「認知症ケア」「看取り」ノウハウ発信
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 世界最速で高齢化が進む日本。人手不足が確実に起きる介護の現場は、外国人の助けを借りながら乗り切ろうと模索を続けている。背後からは韓国、中国などが高齢化の急坂を上がってくる。各国とも日本の成功は取り入れ、失敗は避けようと動向を注視する。高齢化「先進国」の日本は、アジア諸国の人材を円滑に得ながら、良好な関係を築けるだろうか。

 韓国紙「アジア経済」が昨秋、高齢者10人弱が一緒に住む日本の施設をリポートした。「朝鮮日報」は、日本の介護保険が手すり設置や段差解消などのリフォームにも利用できる点を伝え、「自宅で暮らす方が個人にもいいし、国にも負担が少ない」という関係者のコメントを紹介した。

 韓国は在宅介護への関心が強い。病院で寝たきりになるのではなく、最期まで自宅に近い環境で過ごしたいというニーズは高い。

 一人っ子政策を取ってきた中国も、一気に高齢化する。昨秋、北京市で開かれた「日中介護サービス協力フォーラム」には、両国の政府関係者や事業者など約450人が参加した。日本側は介護保険制度をはじめ、自立支援や福祉用具などを説明。事業者同士のビジネスマッチングや福祉用具展示会も開かれた。

 中国の中長期にわたる国家計画を立案する国家発展改革委員会の欧暁理局長は「日本は多くの経験を積んでいる」と、介護分野での協力に期待感を示した。

 神奈川県小田原市の社会福祉法人「小田原福祉会」に昨年末、インドネシアから男女6人の技能実習生がやってきた。

 「前向きなオーラとこまやかな気遣いがある。お年寄りは何のハードルもなく受け入れた」と、同法人の特養ホーム「潤生園(じゅんせいえん)」の西山八重子施設長は言う。

 脳梗塞後のまひがある関口和男さん(69)は、排泄(はいせつ)介助にデヴォ・ガリ・マナウラさん(23)の手を借りる。「デヴォさんの介助はうまいよ。それにね、ビートルズやローリング・ストーンズを歌ってくれる。最高だね」

 デヴォさんは、故郷に日本型の介護事業所を開くのが夢。「日本の介護はインドネシアと全然違う。できないことをしてあげるのではなく、自立支援が大事だと知った。日本の介護をインドネシアでやりたい」

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