「稼げる東京」目指し国と協議 小池都知事インタビュー

インタビューに応じる小池百合子知事=昨年12月20日、東京都新宿区の都庁(佐藤徳昭撮影)
インタビューに応じる小池百合子知事=昨年12月20日、東京都新宿区の都庁(佐藤徳昭撮影)

 小池百合子知事は昨年12月末、産経新聞との単独インタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピックに向けて、出勤時間をずらす時差ビズやテレワーク(在宅勤務)などの普及を進めるとともに、東京大会後も「稼げる東京」を目指し、都内のインフラ整備に向けて国と協議していく方針を示した。

(聞き手 社会部長 中村将)

 --年が明けると2020年東京五輪・パラリンピックまで1年、ラグビーワールドカップ(W杯)もある。どのように東京の魅力をアピールしていくか

 「東京大会はまさしくショーケース。ICT、多言語化、AIは2020年のレガシー(遺産)になる。その結果として、12年ロンドン大会がモデルケースといわれる一つの理由は、大会が終わってからも観光客が増え、経済も伸び続けたこと。私たちが考える東京のアイコンは東京タワーやスカイツリーですが、外国の人からすると渋谷のスクランブル交差点とか、私たちが気付かないところ。2020年は日本人にとっての日本の発見のよいきっかけになるのではないかと思います」

 --東京大会では猛暑対策がカギになる

 「今年の夏に試したものがあります。遮熱性の舗装を施したところは効果が出ることがわかりました。ただお高い。ミストにしても、(水粒子が微細な)ナノのミストなので濡れないが、お高いです。意外と威力を発揮するのがローテクで、うちわ、日傘、帽子ですよね。農業用の水をチューブから散布する、あれはお安い。ハイテクはショーウィンドー的な役割を果たします。ローテクもファッション、メッセージになっていると思います。競技時間を早く設定するのもポイントですね」

 --猛暑対策と並んで注目されている輸送計画は

「朝早く競技をスタートするときには交通機関を工夫し、大会期間中の交通量をどう管理していくかということで、2020TDM(交通需要マネジメント)推進プロジェクトを立ち上げております。出勤時間を皆さんにずらしていただく時差ビズ。それからテレワーク。都内の本社ではなくて、自宅や、どこか空いているところに避暑がわりに行っていただくとかね。こうしたものを組み合わせて進めるところです。企業にも協力していただくことになる」

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