米、沖縄で対艦ミサイル訓練 対中抑止、自衛隊に伝達意向(3/3ページ) - 産経ニュース

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米、沖縄で対艦ミサイル訓練 対中抑止、自衛隊に伝達意向

 ハリス駐韓米国大使は太平洋軍(当時)司令官を務めていた平成29年5月、講演でそう述べた。陸自は南西防衛強化で中国海軍艦艇ににらみを利かせる12式地対艦ミサイルを沖縄本島や宮古、石垣両島などへの配備を計画し、ハリス氏の発言は米陸軍が陸自を手本にする考えを示したものだ。

 そこから環太平洋合同演習(リムパック)での陸自と米陸軍の共同対艦戦闘訓練につながった。米陸軍ミサイルの沖縄展開により連携もさらに一歩進む。

 中国の侵攻を防ぐ南西方面の離島防衛は自衛隊が主体的に行うが、米軍の戦術ミサイルATACMS(エイタクムス)の約300キロの射程は陸自の12式の約200キロを上回る。沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡は約300キロの距離があり、エイタクムスは本島から海峡全体を射程に収め、沖縄への展開は日本にとっても利点がある。

 列島線とは沖縄やフィリピンを通る第1列島線を指し、米軍は列島線沿いにある同盟国や友好国のフィリピンやインドネシアなどへの高機動ロケット砲HIMARS(ハイマース)とエイタクムスの展開を視野に入れている。東シナ海と南シナ海の列島線防衛で中国艦艇の進出を阻む「壁」を築くことで、中国による接近阻止と領域拒否に対抗する構えだ。

 陸自が海上防衛を担うことは30年12月に改定した「防衛計画の大綱」で柱に掲げた「領域横断(クロス・ドメイン)作戦」の一環で、米軍も「マルチ・ドメイン・バトル(複数領域での戦闘)」という同様の構想を推進している。列島線防衛での連携は両者の融合といえ、宇宙・サイバー・電磁波という新たな領域での共同対処能力の強化も課題となる。

 ■列島線 中国は九州-台湾-フィリピンを結ぶ第1列島線の内側で領域拒否、小笠原諸島-グアム-パプアニューギニアを結ぶ第2列島線の内側で接近阻止の能力を備える構え。DF26の配備で米空母は第2列島線の内側に入ることを威嚇される恐れがある。